【上越新幹線ガーラ湯沢駅】 スキーシーズンしか営業しない高速鉄道駅

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新幹線が車止めで終点となる光景は、初めて見ました。でもこの車止めの先にあるのは、冬の間しか現れない楽しい世界が・・・。

上越新幹線ガーラ湯沢駅駅舎

上越新幹線ガーラ湯沢駅上越新幹線の支線の終着駅であり、スキーシーズンこと冬季しか営業しない臨時駅です。ガーラ湯沢駅はガーラ湯沢スキー場のスキーセンターの建物を兼ねており、スキーゲレンデへの町や包括された一つの町を形成しているのです。

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雪と温泉と鉄道の町

上越線越後湯沢駅駅舎

新潟県、越後湯沢駅。湯沢の名のごとく昔ながらの温泉街の中心駅でもあり、冬季になると日本屈指の積雪量を生かしたスキーリゾートのターミナル駅でもあります。

上越線越後湯沢駅改札口

越後湯沢駅は、上越線開業時から新潟県の入口の役割を担う主要駅です。その後も上越新幹線や北越急行の開業によって、北陸新幹線開業までは北陸方面の乗換駅としての役割も担っていました。

越後湯沢駅JR東日本新幹線路線図

JR東日本が展開する新幹線路線図です。JR東海のように1方向に大量輸送する東海道新幹線に対して、東京駅から函館・秋田・盛岡・山形・新潟・金沢へと多方面に展開する運航が特徴です。越後湯沢駅は新潟へ向かう上越新幹線の途中駅ですが、発着する列車も設定されている主要駅です。

JR東日本新幹線路線図ガーラ湯沢支線拡大図

その越後湯沢駅には、ガーラ湯沢へ向かう支線があります。ガーラ湯沢へ向かう列車はスキーシーズンしか運航されず、傍らには「運転日に注意」との記述もあります。

上越新幹線越後湯沢駅ガーラ湯沢行き案内

ガーラ湯沢駅行きの発車案内がありました。特徴的なのはその運航形態です。午前中は1時間に2・3本の列車があるものの、写真の通り12時の列車の後は、6時間後もの間列車がなくなります

新幹線よ、240円で私をスキーに連れてって

ガーラ湯沢駅運賃表

越後湯沢~ガーラ湯沢の運賃は、なんとJRの初乗り運賃と同じ140円です。なお新幹線なので特急料金100円が必要ですが、それでも240円です。これは新幹線で一番安く乗れる区間といわれる博多~博多南の300円を上回る安さとなります。

上越新幹線越後湯沢駅駅名標

上越新幹線に掲げられている越後湯沢駅の駅名標です。隣駅の「上毛高原」と「浦佐」に並んで、「ガーラ湯沢」があります。スキーシーズンでもない時期にも掲げられているので、ある意味単なる案内に限らず広告の役割も帯びています。

ガーラ湯沢駅とE4系

今回乗車するのは、こちらのE4系と呼ばれる新幹線車両です。「Max」という愛称があり、全車両2階建てで1600人を超える世界最大の輸送が可能な形式です。登場当初は東北新幹線の新幹線通勤客の輸送として活躍しましたが、現在は上越新幹線でのみ運用しています。

ガーラ湯沢駅ホームとE4系

越後湯沢駅から3分足らずでガーラ湯沢駅に到着しました。ホーム自体は島式ホーム1つで、防風柵で取り囲まれた新潟県の新幹線駅ではよくみられる構造です。

上越新幹線ガーラ湯沢駅列車と終点

そして列車一番先頭を見ると、列車の向こうには車止めがありました。間違いなくここが終点です。新潟行きの新幹線が、行先を誤ってしまったような印象かもしれません。

上越新幹線ガーラ湯沢駅車止め

そんな終点を示す車止めを見てみます。ここから先の世界はないともいわんばかりの存在感、本当に場末感が否めません。

ガーラ、それは雪の街の祝祭

上越新幹線ガーラ湯沢駅改札口

そんなホームを上がって改札を出てみます。ガーラ湯沢駅は発車15分前から改札が行われ、それ以外の時間帯はホーム自体が締め切られます。しかし指定席は基本既に満席になっているため、かなり前の時間から自由席に着席したい乗客の行列によって埋め尽くされます。

上越新幹線ガーラ湯沢駅切符売り場

そして新幹線の切符売り場の向かい側は、ガーラ湯沢スキー場のチケット売り場があります。東京駅から75分の終着駅、その改札口の目の前にはスキーのチケット売り場というあまりにも完璧すぎる導線です。

上越新幹線ガーラ湯沢駅駅舎

さて一旦駅舎の外に出てみますと・・・こちらがガーラ湯沢駅の駅舎となります。駅舎といえどガーラ湯沢スキー場の入口をも兼ねており、建物自体にも「スキーセンターカワバンガ」と名付けられています。

上越新幹線ガーラ湯沢駅駅舎案内

建物は1階が駅出入り口とバス乗り場、2階がメイン施設、3階がレストラン・休憩と「ガーラの湯」という温浴施設があり、まさに雪国で楽しむべき要素がこの建物の中で楽しめるのです。しかし何よりもこの建物が優れているのは、新幹線改札口・チケット売り場・スキーレンタル・ゲレンデへのゴンドラ乗り場がすべて2階部分の平面上で完結することです。

ガーラ湯沢スキー場カワバンカコンコース

こちらがガーラ湯沢駅駅舎内部、つまりはカワバンカのコンコースです。この場所はスキーレンタルの受付ですが、左手はゴンドラ、右手は新幹線改札、裏手はゲレンデというように、まさに中央広場と言ってよいでしょう。

ガーラ湯沢スキー場案内図

百聞は一見に如かず・・・この図を見ていただければガーラ湯沢スキー場の全景がわかります。まずガーラ湯沢駅からゴンドラに乗れば、スキー場の中継地点にたどり着くことができます。そのあとは帰りの新幹線まで存分に・・・という構成です。

ガーラ湯沢スキー場ゲレンデとゴンドラ

ガーラ湯沢スキー場のゲレンデとゴンドラ「ディリジャンス」です。ゴンドラは新幹線ホームの真上に作られており、改札口へ上るとその平面のままゴンドラに乗り込むことができます。そして駅舎に帰って新幹線に乗れば、75分で東京駅です。

訪問後記

ガーラ湯沢駅広告

これは、JR東日本が毎年冬の時期に張り出しているガーラ湯沢駅の広告です。ガーラ湯沢駅は、開業した1990年から毎年12月中旬からゴールデンウィークの終わりまで営業しています。この広告は、JR東日本管内の各駅で見ることができる冬の風物詩でもあります。

ガーラ湯沢スキー場ゲレンデとゴンドラ

昨今スキー人口は減少の一途をたどっています。採算が取れなくなったスキー場の閉鎖も相次ぎ、バブル期の繁栄を知る人にとっては耳の痛い話かもしれません。

ガーラ湯沢スキー場カワバンカコンコース

そんな中でも、ガーラ湯沢駅は国内外からやってくる多くのスキー客であふれていました。 それは東京駅から新幹線で75分で行けること、そして終点に着いたその足でそのままゲレンデに降り立つことができるという唯一無二の利便性でもあります。ガーラ湯沢スキー場は、代表的なスキーリゾートという地位を得ることができました。

ガーラ湯沢とE4系発車前

改札が開く発車15分前、多くのスキー客が東京行きのE4系の車内へと消えていきました。この光景は、湯沢の町に雪が消えるゴールデンウイーク最終日まで繰り返されます。ちなみにこの日は連休最終日、 つかの間の余暇を楽しむ多くの人々で一段とにぎやかな時でもありました。

ガーラ湯沢駅ホームとE4系

そしてスキーシーズン以外の期間・・・誰もいなくなったガーラ湯沢駅のホームは、越後湯沢で発着する列車の留置線として使われます。スキー客輸送の役目をひとまず終えた静かなるホームは、再び次の雪が降るときを待つかのように・・・

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