【東武鉄道浅草駅】観光地を結ぶ大カーブターミナル駅

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東武鉄道浅草駅大カーブとスカイツリー
浅草から日光・鬼怒川へ・・・近年はスカイツリー押しですが、東武鉄道の代名詞ともいえる有名なフレーズです。その有名観光地をつなぐべく、隅田川を超える都心の壮大なる風景がそこにありました。

東武鉄道浅草駅ホーム先端1
東武鉄道の「浅草」駅は、曲率半径が小さいカーブを通って駅へ入る構造となっています。そのためホームの隙間・車両数・速度制限などの大きな制約を受けています。それでもなお浅草と観光地を結ぶための変わらぬ営みがそこにありました。2017年に東武鉄道は快速・区間快速を置き換える特急「リバティー」に置き換えられました。ここでは、そんな進化前の風景を焼き付けてきました。

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旅の始まりは浅草から

東武鉄道浅草駅駅前朝風景
日本に来る外国人観光客は必ず観光ルートに入れるほどの有名な東京観光地区、浅草。ここは隅田川にまたがる「吾妻橋」です。浅草寺の雷門もいいですが、朝光を浴びて金色に輝く炎のオブジェ(?)も壮観です。

東武鉄道浅草駅駅舎朝
吾妻橋から左を向くと、東武鉄道の浅草駅がありました。松屋浅草店の建物の中にあり、駅がすっぽりと入っています。

東武鉄道浅草駅改札口
浅草駅の改札口です。しかし大手私鉄のターミナル駅としては、改札口の数は少なめ。浅草駅の乗客が少ない理由は、後で詳しく・・・。まずはここ浅草駅を探検します。

浅草駅探検!

東武鉄道浅草駅駅名標
浅草駅の駅名表です。「スカイツリー」という言葉が2つあります・・・。事業主という気持ちもわかりますが、それにしても押しが半端ないです。かつては

  • 東武スカイツリーライン << 東武伊勢崎線
  • とうきょうスカイツリー駅 << 業平橋駅

でしたので・・・。

東武鉄道浅草駅発着案内
浅草駅は5番ホームまであり、1・2番ホームが通勤列車、3・4番ホームが特急列車となっています。特急列車は「宇都宮」「太田」「日光」「鬼怒川温泉」等、行先は多方面の列車がたくさんあります。一方通勤列車は時間にもよりますが、「普通北千住行き」「区間準急久喜行き」がほとんどです。

広大路線たる東武鉄道、最遠は会津?

東武鉄道浅草駅路線案内
2番線にあった路線案内です。見ているだけで目がチカついてきます。東武鉄道は、関東の私鉄で一番長い路線網を保有しています。この案内は東武本線のみで、さらに東武東上線もあります。地元民も全区間乗った人は、そうそういないのでは・・・。

東武鉄道浅草駅特急きぬ鬼怒川公園行き
先ほどの地図を見ると、一番遠い駅は「会津田島」駅です。遠い駅だから特急にのれば良いのか・・・いいえ、違います。2016年当時、特急は写真のように遠くても「特急きぬ、鬼怒川公園」駅まででした。

東武鉄道浅草駅快速乗り場案内
実は左隅に5番ホームがあり、ここは快速・区間快速のりばでした。案内では「新栃木・下今市・東武日光・鬼怒川温泉」と書かれていましたが・・・

東武鉄道浅草駅快速行先案内
快速行先案内たる看板が、壁に掲げられており、「東武日光・新藤原・会津田島」と書かれていました。つまり快速列車の前2両に乗れば、一番遠い会津田島に向かうことができるというわけです。なおこの案内の通り、快速列車は1・2時間に1本の割合でしたが、わざわざ専用ホームを設けるほど、特急に等しい待遇でした。

東武鉄道浅草駅5番ホーム
行先表示案内も見てみると、「快速、東武日光 会津田島」と書かれています。なお快速は2017年に特急リバティーに置き換わる予定で、この5番線の快速発着も見られなくなります。この写真はその1か月前に撮影したものですが、新しい列車案内看板設置(準備中表示)等はありませんでした。きっとホームごと使われなくなるのでしょう・・・。

曲がるホームの先端へ、そして広がる穴・・・

東武鉄道浅草駅地図案内
浅草駅は東武鉄道のほかにも、メトロ銀座線・都営浅草線・つくばエクスプレスがあります。案内にもあるように、つくばエクスプレスの乗換はお勧めしません。案内よりも気になるのが、東武が隅田川を渡るこのカーブの描き方です。


さて、先ほどのホームに「特急りょうもう」が到着しました。この動画を見飛ばしてもいいほど、かなり遅い速度で侵入してきます。快速5番ホームは特急4番ホームと共用で、特急は5番線快速乗り場側の扉は開きません。

東武鉄道浅草駅ホームカーブ1
5番線のホームを日光方面にたどります。

この付近はホームと電車の間がはなれておりますので、
足元にご注意ください。

という案内看板がありました。さらに「足元注意」の看板が・・・。

東武鉄道浅草駅ホームカーブ3
その5番ホームの先端近くまでたどり着きました。ホームの足場がどんどん狭まっていくうえ、左側にはフェンス越しに外の景色、右側は特急列車からくる熱気や騒音が・・・、私のような物好きを除き、ここへの侵入はお勧めできません。さらに左には「用を足すべからず」看板が・・・、

東武鉄道浅草駅ホーム先端1
そのホーム先端につきました。おそらく幅は2メートルもないでしょう。そしてホームに降りるなという看板の脇に、隣のホームに移るための階段と踏切が・・・。おそらく乗務員などの関係者が使うものでしょうが、使う人もかなりのスリルだと思います。

東武鉄道浅草駅ホームカーブ4
ここで浅草方面の方を振り向いてみると、特急列車の顔が迫る圧迫感が・・・しかし目につくのが、ホームと車両の隙間です。いまはホーム柵があるので多少安全性が増しましたが、数年前まではなかった記憶があります。

東武鉄道浅草駅ホーム隙間
その隙間部分をドアップ、下から何かが出てきそうな雰囲気です。乗降口ではないものの、ホームが狭い分この隙間の幅広さが一層際立ちます。私は小学生の時にもこの駅のホームを利用したことがありますが、この広い隙間がトラウマで、以降自分の足元をじっくり見ながら列車の乗降をしていた記憶があります。


ホームに止まっていた「特急りょうもう、赤城行き」が発車していきます。ホームの狭さ故、車両が迫ってくる圧迫感は半端ありません。それもカーブで15km/hの速度制限があるため、この通過時間が長く感じられます。しかし列車が隅田川の向こう側へ消えた後は、都会の駅とは思えない静けさに包まれます。

東武鉄道浅草駅ホームカーブ2
さて特急がいなくなったホームを見ると・・・、数メートルで線路が見えなくなるほどの急カーブです。このカーブに列車を通す技術・・・これぞ曲芸というものでしょうか。しかしこの構造や立地の影響により、浅草駅は特急を含め6両編成しか入ることができません。

穴をまたぐ、列車への架け橋

東武鉄道浅草駅ホーム渡り板収納
特急・快速のホームにてところどころに置かれているこの物体。これは何でしょうか・・・、正解は列車が到着してから発表いたします。

東武鉄道浅草駅ホーム渡り板準備
まもなくこのホームに快速列車が到着します。この物体を持っているのは、「STUFF」と書かれた服を着た人・警備員・駅員と様々です。


快速列車が到着してきました。なお動画の終わりには、この物体を持ってドアのところに近づく作業員が・・・。

東武鉄道浅草駅ホーム渡り板設置
正解は・・・、転落防止のための渡り板でした。近年は隙間を埋める装置は自動化されているところもありますが、ここでは乗客の安全監視も兼ねているせいか人手で行われています。カーブのために隙間が広くなる構造故の宿命ともいえます。

訪問後記

いまや日本に来る外国人観光客も知られるようになった江戸っ子の聖地「浅草」・・・そこに立つ古き良き外観を見せるデパートの2階に、日光・鬼怒川へ向かう玄関口がありました。
隅田川を渡り浅草に駅を作る・・・、この駅に立つと、その信念が伝わってきます。速度は15km/h制限・車両は特急を含めは6両編成以下・ドアに渡り板を設置・他路線地上乗り換えこのような条件故、この駅は通勤輸送という役割をあまり果たせません。ほとんどの通勤客は、途中の北千住・曳舟で地下鉄直通か乗換えて東京へ向かいます。

東武鉄道浅草駅快速列車とホーム渡り板
それでもこの駅は、有名観光地への始発駅という役割を果たすべく、今日もホームの隙間を埋めながら観光都市へと出発していく風景がありました。狭い立地でありながら有名観光地「浅草」という場所の駅で営まれるこの風景は、今後も多くの乗客を観光都市へと送り届けるための玄関口としてあり続けるでしょう。

東武鉄道浅草駅特急しもつけと車掌
また2017年に浅草から日光・鬼怒川・会津へ向かう快速列車が特急へ昇格するなど、この駅はさらなる進化を遂げようとしています。実はこのダイヤ改正で消えてしまう列車も紹介したかったのですが、ページが長くなってしまった故、以下ページにて紹介いたします。

【東武鉄道浅草駅】観光地へ向かう不揃いな列車たち
浅草から日光・鬼怒川へ・・・東武鉄道の有名なフレーズです。実はほかにも「赤城」「太田」「伊勢崎」「宇都宮」、果ては「会津高原」・・・その長大路線の出発点である浅草駅では、様々な列車が行き交います。 2017年に東武鉄道は観光列車を中心...

それではまた不思議な鉄道風景でお会いしましょう。

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