鉄道のホームは1番から始まるとは限りません。駅が開業して1・2・3番線、ところが新線が1番の手前にできるときに0は現れる。でも0番でも足りない事態が発生、さあどうしよう・・・
JR熊本駅は、豊肥本線の列車を発着させるための0番ホームが3つありました。「0」の後にアルファベットを入れる方式で、名前はそれぞれ0A・0B・0Cでした。この記事は2012年訪問当時の情報であり、熊本駅は2018年に高架化事業完成により0番ホームはなくなりました。
写真は2016年の熊本地震によって損壊する前の熊本城です。豊肥本線も地震の影響により、今も一部区間運転を見合わせております。
肥後どこさ、熊本さ
九州の地方都市、熊本。熊本駅に九州新幹線が来てから間もなく1年という風景です。訪問時はまだ2月でしたが、新幹線からの観光客が絶え間なく来ていました。
熊本駅は九州においても重要な拠点駅であり、
- 2011年に全通した九州新幹線
- 九州を南北に縦貫する鹿児島本線
- 九州を横断する豊肥本線
- 三角港へむかう三角線
- 市内を結ぶ熊本市電
があります。他にも熊本駅には来ていませんが、熊本電鉄もあります。
熊本駅は熊本県県庁所在地でもあり、九州における重要な拠点駅です。さまざまな特急列車も行き交います。写真は阿蘇へ向かう臨時特急列車、「あそぼ~い」です。
阿蘇へのみちは、0番線から
さて阿蘇へ向かう路線こと、豊肥本線の普通列車が入ってきました。放送を聞くと「0番Bのりば」と言っています。「れいばんびーのりば」・・・
豊肥本線の発着場所は、「0番Aのりば」、「0番Bのりば」、「0番Cのりば」という場所です。0番線・0番ホームもあまりなじみがないというのに、さらにアルファベットで・・・。0番という名の3つの乗り場が必要になったという事情でしょう。
この普通列車は熊本駅の0番Bのりばを発車して、肥後大津へ向かいます。なお0番のりばは全て行き止まり式であり、福岡へ向かうことはできません。豊肥本線の阿蘇・別府、またはまれに鹿児島本線の八代・人吉へ向かう列車が止まります。
0番Aのりばに九州横断特急が入ってきました。はるばる別府から阿蘇の山々を超え、ここ熊本駅の0番Aのりばにたどり着きます。
九州横断特急と豊肥本線の普通列車です。上の写真のように九州横断特急は「0番Aのりば」、普通列車は「0番Bのりば」が使われる場合が多いです。しかし臨時列車などで一方のホームがふさがっている場合は、「0番Cのりば」というホームが使われるようです。
人吉へ向けて発車する九州横断特急です。当時の九州横断特急はここが終点ではなく、さらに鹿児島本線・肥薩線の人吉へ向かっていました。しかしこの数日後九州横断特急はすべて熊本駅発着となり、人吉行きはなくなりました。さらにその後の熊本地震によって阿蘇地域が不通となり、現在は九州横断ができなくなっています。
訪問後記
3つあった0番ホームは、計画上では熊本駅高架化における仮ホームとされていました。そのため熊本駅は2018年に高架化が完成によって姿を消し、豊肥本線は1・2・3番線からの発着となりました。そして高架化を終えた熊本駅はさらに駅周辺の再開発が始まります。そのため白川口にあるこの有名な駅舎も姿を消します。
現在地震によって復興途上であるここ熊本。その復興における中心として、再び新しい風景を見せてくれることでしょう。
それではまた不思議な鉄道風景でお会いしましょう。